初版発行日 2006年10月5日
発行出版社 講談社
スタイル 長編
【POINT】
連続殺人事件の現場に残された六文銭の意味は!?手掛かりは真田幸村の郷に!?十津川警部、執念の推理!戦国時代と現代が交錯する傑作長編ミステリー!
連続殺人事件の現場に残された六文銭の意味は!?手掛かりは真田幸村の郷に!?十津川警部、執念の推理!戦国時代と現代が交錯する傑作長編ミステリー!
あらすじ
都内で、会社社長とクラブホステスが相次いで殺害された。どちらも背中を刃物で刺され、死体の顔の上には六枚の一文銭が置かれていた。同一犯による凶行と見られたが、被害者二人には共通点が見つからない。六文銭が戦国武将・真田幸村の旗印であることに注目した十津川警部は、真田家ゆかりの地、信州上田へー。
小説の目次
- 死者たち
- 共通項を求めて
- 六文銭
- 名古屋から松代へ
- 検証の旅
- 三千坪の行方
- 幻想から現実へ
冒頭の文
甲州街道と平行に走る、通称、水道道路。その一角に、一昨日から、一台の車が停まっていた。
小説に登場した舞台
- 上田駅(長野県上田市)
- 上田城址公園(長野県上田市)
- 長谷寺(長野県上田市)
- 名古屋駅(愛知県名古屋市中村区)
- 松代象山地下壕(長野県長野市)
- 山田温泉(長野県・高山村)
- 真田宝物館(長野県長野市)
- 別所温泉(長野県上田市)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 本多時孝:
警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 青木:
代々木警察署の巡査。 - 中村:
警視庁初動捜査班の警部。 - 杉本:
上田署の警部。 - 木下:
愛知県警の警部。 - 森山:
長野県警の警部。
社団法人「六文銭の会」
- 理事長:
「六文銭の会」の理事長。 - 田中富士夫:
「六文銭の会」上田支部の支部長。 - 川口健二:
35歳。東京都江東区のマンションに住む。「六文銭の会」の職員。 - 山本:
「六文銭の会」本部の広報部長。 - 岩井昭:
「六文銭の会」の職員。 - 竹内康男:
「六文銭の会」の職員。
事件関係者
- 村上和雄:
35歳。四谷にある設計事務所の社長。所有する車のトランクに死体で発見された。 - 志賀治美:
28歳。中野のクラブ「セカンドラブ」のホステス。三鷹の自宅で死体で発見された。 - 真田昭夫:
23歳。名古屋にあるN大学の法科学生。自宅マンションで自殺した。 - 金子稔:
名古屋にある喫茶店レインボーの店主。 - 真田幸恵:
世田谷の資産家。 - 真田猛:
真田幸恵の妹。
その他の登場人物
- 田村:
村上設計事務所の社員 - 村上英夫:
村上和雄の弟。弁護士。ニューヨーク在住。 - 志賀聡子:
志賀治美の母親。 - 志賀敏夫:
60歳。志賀治美の叔父。白石市内にある志賀建設の社長。 - 志賀綾子:
55歳。志賀敏夫の妻。 - 前田:
村上建築設計事務所の新社長。元副社長。 - 坂西加代:
志賀治美の親友。 - 真田雄一郎:
55歳。真田昭夫の父親。名古屋にある医療機器メーカーの社長。 - 真田慶子:
真田昭夫の母親。 - 真田直美:
真田猛の妻。
印象に残った名言、名表現
■真田幸村と源義経の共通点。
「真田幸村の話を読んでいくと、源義経に、よく似ているんだ。戦の名人だし、滅びる豊臣家のほうに味方をして、討ち死にしている。それが、悲劇の英雄の、源義経に似ているんだろうね」
感想
「戦国時代で好きな武将は誰か?」こう聞かれたら、誰の名前をあげるだろうか?
もし、戦国時代好きな武将ランキングという、アンケート調査が行われたら、真田幸村は上位に入る武将だと思う。
もちろん、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄、上杉謙信、伊達政宗など、戦国大名が上位に入ると思われる。だが、真田幸村も、このメンツの中に食い込んでくると思う。
その理由は、真田幸村が”日本一の兵”と称された武勇だけでなく、最後まで、豊臣家に忠義を尽くした、その人間性によるところも大きいだろう。
本作は、その真田幸村が題材になっている。舞台も、真田の郷、上田である。
真田幸村と上田を舞台に、おぞましい殺人事件と詐欺事件が、繰り広げられる。十津川警部は真相に近づいたのか?無事、犯人を逮捕できたのか?この先は、本書を手にとって、確かめてもらいたい。
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