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九州新幹線「つばめ」誘拐事件/感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

九州新幹線「つばめ」誘拐事件小説

初版発行日 2005年1月31日
発行出版社 徳間書店
スタイル 長編

私の評価 2.5

POINT】
連続する誘拐に隠された壮大な犯罪計画とは?難事件に挑む十津川警部の名推理。
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あらすじ

九州新幹線「つばめ」車内で幼児が誘拐された。犯人は、幼児の父親が勤務する製薬会社で開発中の新薬の化学式とサンプルを要求。犯人の指示に従うと、幼児は無事解放され、不思議なことに持ち出した化学式などが研究室に戻っていた。さらに、容疑者らしき女性が死体で発見され……。

小説の目次

  1. 発端
  2. 意外な行方
  3. トランク
  4. 第二の誘拐
  5. 真の目的
  6. ネット株
  7. 犯人の戸籍

冒頭の文

福田明美、三十歳は、例年、春の三月末になると、息子の翔、五歳を連れて、実家のある鹿児島に、帰ることにしていた。

小説に登場した舞台

  • 九州新幹線つばめ
  • 新八代駅(熊本県八代市)
  • 鹿児島中央駅(鹿児島県鹿児島市)
  • 三鷹駅(東京都三鷹市)
  • 天童(山形県天童市)
  • 成田空港(千葉県成田市)
  • 秋田駅(秋田県秋田市)
  • 角館(秋田県仙北市)
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登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 西本明:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三上刑事部長:
    刑事部長。十津川警部の上司。

警察関係者

  • 野口:
    50歳。鹿児島県警の記事。
  • 川上:
    鹿児島県警の記事。
  • 小坂:
    鹿児島西警察署の警部。
  • 江崎:
    神奈川県警の警部。

事件関係者

  • 福田明美:
    30歳。鹿児島出身。
  • 福田翔:
    5歳。福田明美の息子。九州新幹線つばめ車内で誘拐されたが、その後開放された。
  • 福田啓介:
    38歳。福田明美の夫。三鷹にある山川薬品の研究室に勤務している。
  • 木村綾子:
    30歳。かつて沢木が整形手術を行い全く別の顔になり、名前も井上幸恵に変えていた女性。整形前は不動産会社の経理をしていたが、5億円の金を横領して姿をくらませていた。お台場に浮かんでいたトランクの中で死体となって発見された。
  • 青木健一:
    35歳。NK電気の社長秘書。
  • 青木美弥子:
    30歳。青木健一の妻。
  • 青木みどり:
    4歳。青木夫妻の娘。何者かに誘拐されたがその後開放された。
  • 原田健次:
    原田精機の社長。
  • 原田美津子:
    原田健次の妻。
  • 原田香:
    原田夫妻の娘。何者かに誘拐されたがその後開放された。
  • 山根敬太郎:
    40歳。2年前、銀行強盗で逮捕され、服役していたが半年前に出所した男。角館に在住。
  • 沼田浩二:
    38歳。2年前、山根敬太郎が共犯で銀行強盗をした男。

その他の登場人物

  • 中村信正:
    福田明美の父親。鹿児島市内にある「鹿児島中村旅館」の主人。
  • 中村文恵:
    福田明美の母親。鹿児島市内にある「鹿児島中村旅館」の女将。
  • 小野田:
    山川薬品研究室の室長。
  • 木下:
    山川薬品研究室の職員。福田啓介の大学の後輩。
  • 井上:
    九州新幹線つばめの車掌。
  • 沢木:
    56歳。元整形外科医。品川区内の高級マンションに在住。
  • 服部:
    NK電気の社長。
  • 田辺慎太郎:
    経済評論家。
  • 岩下健介:
    38歳。名古屋市出身。現在ホームレス。
  • 神埼信行:
    37歳。山形県天童市出身だが数年前から行方不明。

印象に残った名言、名表現

■子どもは三歳までに親孝行をすませてしまう。

誰かの本で読んだのだが、子どもというのは三歳までに親孝行をすませてしまい、それからは親を悩ますだけだと書いてあったが、翔は、その典型かも知れないと思った。

感想

本作は、「九州新幹線「つばめ」誘拐事件」というタイトルだが、九州新幹線がメイン舞台になった事件ではない。1件目の誘拐事件が、たまたま九州新幹線内で起こったと言ったほうが、正しい解釈だと思う。

だから、九州新幹線でアレコレ事件が起こることを期待した読者は、期待はずれに終わるだろう。

本作は、身代金の要求も殺人も行われない奇妙な誘拐事件や、戸籍をどんどん乗り換えて別人として行きていく犯人たちにフォーカスした作品である。

最後の最後に、意外すぎる人物に成り代わっていた結末は、なかなか面白い。まさに「意外な結末」というものであった。

ちなみに、九州を舞台にした作品を読みたいならば、1993年刊行の「九州新特急「つばめ」殺人事件」や、1999年刊行の「九州特急「ソニックにちりん」殺人事件」、2012年刊行の「九州新幹線マイナス1」の方がよい。

この3作品は、たしかに九州が舞台になったといえる作品であった。

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