初版発行日 2014年9月10日
発行出版社 祥伝社
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
二重国籍の老歴史学者。沈黙に秘められた大戦の闇とは?野尻湖畔のリゾート地で遭遇した難事件。七十年の時を超え十津川の推理が閃く!
二重国籍の老歴史学者。沈黙に秘められた大戦の闇とは?野尻湖畔のリゾート地で遭遇した難事件。七十年の時を超え十津川の推理が閃く!
あらすじ
〈島崎修一郎 過チヲ正シテ死亡ス〉信州野尻湖畔に建つ石碑の奇妙な銘文は、五十年前の未解決殺人に関わるという。十津川が休暇でこの地を訪れた翌日、何者かが石碑を爆破。さらに、事件を調べる歴史学者の小田切が失踪した。十津川の恩師である小田切は、外国人別荘地の会員で、二重国籍だった!? 大戦秘話、残された捜査メモ、米国の影……。十津川が歴史の闇を追う!
小説の目次
- 野尻湖の死
- 戦争の記憶
- 一人の刑事のメモ
- アメリカ大使館
- 捜査の続き
- 日記と手紙
- 一人の人生の終章
冒頭の文
警視庁捜査一課の十津川警部は、今年の夏、久しぶりに、五日間の休暇が取れたので、妻の直子と長野県の野尻湖に遊ぶことにした。
小説に登場した舞台
- 黒姫駅(長野県・信濃町)
- 野尻湖(長野県・信濃町)
- 野尻湖国際村(長野県・信濃町)
- 成田空港(千葉県成田市)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。
警察関係者
- 十津川直子:
十津川警部の妻。 - 笹野:
長野県警の警部。
事件関係者
- 井崎:
十津川警部の大学時代の友人。野尻湖近くで民宿を営む。 - 小田切正雄:
95歳。十津川の母校の大学教授。 - 本橋久幸:
池袋に事務所をかまえる私立探偵。 - ジョン・ヘンドリー:
元大学教授。野尻湖国際村に別荘をもつ。 - 島崎修一郎:
1960年に野尻湖で水死体となって発見された。未解決事件になっている。 - 笹塚:
外務省北米局の局長。 - 土井明:
島崎修一郎の太平洋戦争時代の戦友。戦後は博多で喫茶店を営んでいたが、自動車事故ですでに他界している。
感想
本作は、太平洋戦争時代の出来事が、事件の発端となった作品である。
十津川警部シリーズでは、とくに2010年代行、太平洋戦争や日本の歴史のエピソードが、事件のミソになっている作品が数多く刊行されており、本作もその一環と思われる。
今回は、太平洋戦争時代の中でも、サイパンでの戦闘に焦点が当てられており、実際に事件の根本は、太平洋戦争時代のサイパンでの戦闘であった。
この時代のエピソードは歴史の教科書では学ぶことができないので、この時代に興味がある方は、自分の知識を補強する一助となるだろう。
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