初版発行日 2008年11月25日
発行出版社 実業之日本社
スタイル 短編集
私の評価
なぜ被害者たちは、犯人を部屋に入れたのか?顔見知りの犯行なのか?しかし被害者たちに共通点は見出せない。ひとり暮らしの女性を狙った恐るべき連続殺人の謎に迫る!!
あらすじ
1.午後の悪魔
事件の発端は、渋谷のマンションで発見された女性の死体だった。バスローブ姿で、死因は絞殺だった。顔見知りの犯行ということで捜査が始まったが、同一犯の犯行とみられる新たな事件が発生し、捜査は行き詰まりを見せた。そして捜査陣をあざ笑うかのように、捜査の秘密が雑誌にすっぱ抜かれた!
2.二階座席の女
短編集「十津川警部C11を追う」に収録。下記を参照↓↓
→「十津川警部C11を追う」
3.偽りの季節 伊豆長岡温泉
短編集「青に染まる死体 勝浦温泉」に収録。下記を参照↓↓
→「青に染まる死体 勝浦温泉」
4.会津若松からの死の便り
短編集「会津若松からの死の便り」に収録。下記を参照↓↓
→「会津若松からの死の便り」
小説に登場した舞台
1.午後の悪魔
- 明治神宮(東京都渋谷区)
- 伊豆長岡駅(静岡県伊豆の国市)
- 三津浜(静岡県沼津市)
2.二階座席の女
短編集「十津川警部C11を追う」に収録。下記を参照↓↓
→「十津川警部C11を追う」
3.偽りの季節 伊豆長岡温泉
短編集「青に染まる死体 勝浦温泉」に収録。下記を参照↓↓
→「青に染まる死体 勝浦温泉」
4.会津若松からの死の便り
短編集「会津若松からの死の便り」に収録。下記を参照↓↓
→「会津若松からの死の便り」
登場人物
1.午後の悪魔
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 三上刑事部長:
刑事部長。十津川警部の上司。 - 片貝エリコ:
27歳。新宿にあるクラブのホステス。渋谷区本町のマンションに在住。自宅マンションで死体となって発見された。 - 三浦由美:
新宿にあるクラブのホステス。片貝エリコの同僚。 - 篠原勇:
38歳。中央自動車高円寺支店のセールスマン。片貝エリコの義兄。 - 青木健一郎:
42歳。S運送の運転手。大阪在住。片貝エリコの叔父。 - 石川ひろみ:
21歳。新宿にあるK病院の看護師。渋谷区西原のマンションに在住。自宅マンションで死体となって発見された。 - 井上冬子:
21歳。商事会社に勤務。石川ひろみの高校時代の友人。 - 西崎浩:
35歳。タレント。石川ひろみが働くK病院の入院患者。石川ひろみと親しくしていた。成城のマンションに在住。 - 水谷寿子:
30歳。池袋にあるクラブのホステス。西新宿のマンションに在住。自宅マンションで死体となって発見された。 - 桜井努:
25歳。日本配送の配達員。配達中、運転操作を誤って事故死した。 - 原田清宏:
30歳。日本配送の配達員。 - 松川豊:
28歳。関東宅配の配達員。 - 井上:
週刊日本社の編集長。 - 香取:
日本配送の顧問弁護士。 - 田島:
中央新聞社会部の記者。十津川警部の大学時代の同級生。 - 戸倉あい:
26歳。渋谷にあるクラブのホステス。渋谷区富ヶ谷のマンションに在住。自宅マンションで死体となって発見された。 - 柳沼真治:
30歳。新東京ガス城西支部の社員。西伊豆の海岸で首吊死体となって発見された。 - 三浦:
静岡県警の警部。 - 富永匡:
49歳。警視庁の副総監。 - 富永健一郎:
24歳。富永匡の息子。渋谷区幡ヶ谷交番の巡査。 - 堀井:
渋谷区幡ヶ谷交番の巡査。
2.二階座席の女
短編集「十津川警部C11を追う」に収録。下記を参照↓↓
→「十津川警部C11を追う」
3.偽りの季節 伊豆長岡温泉
短編集「青に染まる死体 勝浦温泉」に収録。下記を参照↓↓
→「青に染まる死体 勝浦温泉」
4.会津若松からの死の便り
短編集「会津若松からの死の便り」に収録。下記を参照↓↓
→「会津若松からの死の便り」
印象に残った名言、名表現
■警察が無意識的に捜査対象からはずしてしまう職種は一つしかない。
「いろいろな業種を調べていった。しかし、われわれは、無意識に、一つの職種を考えまいとしてきた。カメさんにもわかっているはずだよ」
感想
本作に収録された短編は、いずれもレベルの高い作品であった。
この中で一つピックアップするならば、「午後の悪魔」であろう。100ページ弱のボリュームだが、長編なみに練り込まれたミステリーだったと思う。
全部で4件の連続殺人事件、共通点の見つからない被害者、二転三転する犯人像、そして、盲点をついた真犯人。真犯人を追い詰めていくくだりもサスペンスがあり、結末も切れ味するどく、読後感も良好であった。
本作は期待を裏切らない短編集であると思う。
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