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「真夜中の構図」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

真夜中の構図小説

初版発行日 1979年7月25日
発行出版社 集英社
スタイル 長編

私の評価 4.7

POINT】
事件の裏にはいったい何が!?十津川警部が連続殺人事件の謎に挑む!
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あらすじ

参議院議員・太田垣に、やっと大臣の椅子がまわってきた。しかし、その為には5人の愛人を至急整理する必要がある。その役目を命ぜられたのが個人秘書の早川。だが、大臣夫人への夢に憑かれた彼女たちは、身を引こうとしない。ところが、愛人のひとりの変死から、連鎖的に彼女たちは殺されてゆく……。殺人の容疑者に仕立てられた早川!仕組まれた事件の裏には、いったい何が!?

小説の目次

  1. 五人の女
  2. 昔の男
  3. 見知らぬ死体
  4. 一枚の写真
  5. 秘密のグループ
  6. 死の追跡
  7. 賭ける女
  8. ヌードスタジオ
  9. 黒い取り引き
  10. いけにえ
  11. 海辺の死
  12. 逮捕状
  13. 厚い壁の中で
  14. 新たな犠牲
  15. 夜の結婚
  16. 真犯人を追う
  17. 終局へ

冒頭の文

順子の身体が燃えてくるにつれて、早川の眼は、逆に、冷たく、サディスティックになっていく。

小説に登場した舞台

  • 熱海温泉(静岡県熱海市)
  • 東京駅(東京都千代田区)
  • 明治神宮(東京都渋谷区)
  • 伊東(静岡県伊東市)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 鈴木:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 大橋:
    警視庁捜査一課長。十津川警部の上司。

事件関係者

  • 太田垣忠成:
    65歳。城西製薬の社長。厚生大臣に就任する。
  • 早川:
    38歳。太田垣忠成の個人秘書。
  • 秋月:
    城西製薬の顧問弁護士。
  • 浅井美代子:
    太田垣忠成の愛人の一人。元銀座のホステス。原宿のマンションに在住。伊東の海岸で死体となって発見された。
  • 小池麻里:
    24歳。太田垣忠成の愛人の一人。モデル。晴海埠頭に沈んでいた車の中で死体となって発見された。
  • 野々村ふみ代:
    42歳。太田垣忠成の愛人の一人。新橋の料亭「ののむら」の女将。自宅で死体となって発見された。
  • 高沢弘子:
    29歳。太田垣忠成の愛人の一人。新宿西口にある美容室の社長。同性愛者。自宅で死体となって発見された。
  • 大竹康江:
    30歳。太田垣忠成の愛人の一人。祐天寺にある大竹薬局の店主。薬局の店内で死体となって発見された。
  • 山口多恵子:
    20歳。国分寺市内にある二葉美容院に勤務。高沢弘子の”恋人”だった女性。同性愛者。高沢弘子の部屋で死体となって発見された。
  • 和田英明:
    元バーテン。小池麻里の元恋人。小池麻里の部屋で死体となって発見された。
  • 原口竹二郎:
    29歳。前科あり。晴海埠頭に沈んでいた車の中で小池麻里とともに死体となって発見された。
  • 大竹達夫:
    42歳。コンサルタント。元捜査一課の刑事。大竹康江の兄。車に轢かれて死亡した。
  • 日下秀俊:
    浅井美代子の元恋人。カメラマン。
  • 望月順子:
    城西製薬の社員。早川の恋人。

その他の登場人物

  • 小松:
    東西新聞の記者。
  • 加藤明子:
    大竹薬局の店員。
  • 岸井:
    秘密の会の責任者。
  • めぐみ:
    18歳。山口多恵子の現在の”恋人”。同性愛者。
  • 林ゆき:
    秘密の会の会員。
  • 三宅徳太郎:
    65歳。秘密の会の会員。市ヶ谷のマンションに在住。
  • 堀場:
    太田垣忠成の主治医。
  • 君子:
    『チェリー』のホステス。
  • 浜田:
    静岡県警の警部補。
  • 西井信吉:
    41歳。前科三犯。大竹康江殺害容疑で逮捕された男。
  • 水木冬子:
    国内線のCA。
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感想

本作は、十津川警部シリーズ初期の名作の一つと言われている。

十津川警部シリーズの代表的なイメージは、トラベル・ミステリーであるが、本作は、それとは趣が異なる。エロスがあり、妖しさに満ちあふれていた。十津川警部シリーズは、性的な描写はほとんどないが、本作では、性的な描写も数多くあり、それが妖しさを担う大きな要因にもなっている。

ミステリーについては、関係者が次々と殺されていき、容疑者も二転三転する。やっと真犯人がわかったと思ってから、さらにどんでん返しがある。最後の最後まで、目が離せない展開である。

いつもの十津川警部シリーズを読み慣れている人は、まったく違うタッチの本作を読んだら、びっくりするであろう。改めて、西村京太郎先生の才能の幅広さを感じられた作品でもある。

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