初版発行日 2005年2月10日
発行出版社 文藝春秋
スタイル 長編
私の評価
【POINT】
青森ねぶた祭りで使われる大太鼓の中から、美女の死体が発見された。犯人の狙いは何か?十津川警部と、女性弁護士・三宅綾が「ねぶた祭り」を舞台に大活躍する、「十津川警部・祭りシリーズ」第5弾!
青森ねぶた祭りで使われる大太鼓の中から、美女の死体が発見された。犯人の狙いは何か?十津川警部と、女性弁護士・三宅綾が「ねぶた祭り」を舞台に大活躍する、「十津川警部・祭りシリーズ」第5弾!
あらすじ
五月のある日、東京の下町にある民族楽器の製作所に、青森ねぶた祭りに使われる大太鼓が修理のために送られてきた。いざ担当者が修理にかかろうとしたところ、なんと大太鼓の中から藁くずにまみれた女性の死体が発見された!やがて犯人として捕まった青年は太鼓の中に死体を入れたことまでは認めるが……。
小説の目次
- 大太鼓
- 逮捕
- 公判開始へ
- 男と女
- 標的
- 密告
- 祭りのあと
冒頭の文
江東区亀戸に、日本民芸工業という町工場が、ある。
小説に登場した舞台
- 青森駅(青森県青森市)
- 青森市内(青森県青森市)
- 八戸(青森県八戸市)
- 青森市役所(青森県青森市)
登場人物
警視庁捜査一課
- 十津川省三:
警視庁捜査一課の警部。主人公。 - 亀井定雄:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。 - 西本明:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 日下淳一:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。 - 北条早苗:
警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
寺田法律事務所
- 三宅綾:
36歳。弁護士。青森市内の寺田法律事務所に勤務。沢田圭佑の弁護を引き受けた。 - 寺田:
三宅綾が所属する寺田法律事務所の所長。 - 中尾:
寺田法律事務所の弁護士。
日本民芸工業(東京都江東区亀戸)
- 青木:
亀戸にある民芸品工場「日本民芸工業」の社長。 - 長井智子:
「日本民芸工業」の事務。 - 中居伸介:
60歳。「日本民芸工業」の工員。工場の宿直室で死体となって発見された。 - 田中:
「日本民芸工業」の営業。
片岡興業(青森県青森市)
- 片岡安二郎:
60歳。青森市内にある片岡興業の社長。 - 片岡愛一郎:
片岡安二郎の息子。片岡興業の副社長。 - 佐々木:
片岡興業の営業部長。 - 沢田圭介:
26歳。片岡興業の庶務。平沼恵子の死体遺棄容疑で逮捕されたが、殺人については否定する。 - 仁科:
片岡興業の庶務課長。
クラブ「ミラージュ」(青森県青森市)
- 平沼恵子:
青森市内のクラブ「ミラージュ」のホステス。片岡興業が修理のために送った大太鼓の梱包の中で死体となって発見された。 - サチコ:
青森市内のクラブ「ミラージュ」のホステス。 - 秋子:
青森市内のクラブ「ミラージュ」のホステス。 - 岸田完:
45歳。青森市内に事務所をもつ建築士。クラブ「ミラージュ」の常連客。
事件関係者
- 平沼美津子:
28歳。平沼恵子の姉。八戸市内の不動産会社で経理の仕事をしている。
その他の登場人物
- 木下:
青森県警の警部。 - 川口:
沢田圭介の高校時代の同級生。青森市内のコンビニ店員。 - 金石:
青森駅近くで郷土料理店を営む。元高校教師。かつて沢田圭介にボクシングを教えていた。 - 小松原明:
民芸家具の製作をしている。3年前まで、片岡興業に勤務していた。 - 福原敏子:
70歳。青森市内で喫茶店を営む。占い師でもある。 - 田代:
青森市内の新聞社のデスク。 - 小原:
平沼美津子が働いている八戸の不動産会の管理部長。
印象に残った名言、名表現
なし。
感想
本作は、十津川警部・祭りシリーズ第5弾である。
- 「祭りの果て、郡上八幡」(2001年刊行)
- 「風の殺意・おわら風の盆」(2002年刊行)
- 「祭ジャック・京都祇園祭」(2003年刊行)
- 「鎌倉・流鏑馬神事の殺人」(2004年刊行)
- 「青森ねぶた殺人事件」(2005年刊行)
- 「十津川警部 海峡をわたる」(2006年刊行)
- 「奇跡の果て 鍋かむり祭の殺人」(2008年刊行)
十津川警部【祭りシリーズ】おすすめランキング!
今回は十津川警部シリーズを500作以上読んだわたしがおすすめする、祭りシリーズおすすめランキングを紹介します。
ただ、本作を”祭りシリーズ”に含めてしまうのは、どうも、納得がいかない。
というのも、他の祭りシリーズは、お祭りやその歴史についての詳しい説明があったし、物語全体に、お祭りの雰囲気が漂っていた。
だが、本作は、お祭りについての描写が、ほとんどない。ねぶた祭りの描写があったのは、後半の一部分だけである。
確かに、青森県が舞台で、事件の発端は、ねぶた祭りに使う大太鼓の中で、死体が発見されたというものだったが、ねぶた祭りについての説明はほとんどない。
今回は、ほとんどが、殺人事件と裁判についての描写である。さらにいえば、今回は、十津川警部の活躍も少ない。半分以上が裁判に費やされていたからだ。
ミステリーとしては、最後に大どんでん返しがあり、裁判の行方も見応えがあった。
しかし、青森ねぶた祭りを期待して本作を読んだら、がっかりしてしまうだろう。
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