〈景品表示法に基づく表記〉当サイトはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

「京都感傷旅行」感想レビュー。あらすじ、舞台、登場人物

京都感傷旅行小説

初版発行日 2018年4月15日
発行出版社 文藝春秋
スタイル 長編

私の評価 3.8

POINT】
祗園祭で賑わう京都で起きた連続不審死。謎の女将の正体は!?
スポンサーリンク

あらすじ

還暦を迎えた沢田秀一は、大学時代の”鉄道友の会”の仲間と、メンバーの西野京子が営む京都の料亭旅館に集い、祇園祭をはさんだ一週間を楽しむ予定だった。ところが同窓生の一人が「私は、騙されたのか」という言葉を残して不慮の死を遂げ、京子の生家が陰陽師の家系であることに興味を示していた女性も遺体で見つかった。古都で起きた連続不審死は、陰陽道の影響なのか――。十津川は京都へ向かう。

小説の目次

  1. 祇園祭
  2. 洛北ー貴船
  3. 五山の送り火
  4. 優雅なコネ社会
  5. 陰陽道の今
  6. 甦える過去
  7. 古都と現代の京都と

冒頭の文

差出人のところに、西野京子の名前を見るのは十年ぶりだった。

小説に登場した舞台

  • 東京駅(東京都千代田区)
  • 京都駅(京都府京都市下京区)
  • 石塀小路(京都府京都市東山区)
  • 四条河原町(京都府京都市下京区)
  • 京都鉄道博物館(京都府京都市下京区)
  • 貴船 「ひろや」(京都府京都市左京区)
  • 祇王寺(京都府京都市右京区)
  • 滝口寺(京都府京都市右京区)
  • 六道の辻(京都府京都市東山区)
  • みなとや幽霊子育飴本舗(京都府京都市東山区)
  • 六道珍皇寺(京都府京都市東山区)
  • イノダコーヒ 三条支店(京都府京都市中京区)
  • 茶房 真呑奈(京都府京都市東山区)
  • 南座(京都府京都市東山区)
  • 泉涌寺(京都府京都市東山区)

登場人物

警視庁捜査一課

  • 十津川省三:
    警視庁捜査一課の警部。主人公。
  • 亀井定雄:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の相棒。
  • 日下淳一:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 北条早苗:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。
  • 三田村功:
    警視庁捜査一課の刑事。十津川警部の部下。

京都府警

  • 中川:
    京都府警の警部。
  • 原田:
    京都府警の警部。

鉄道友の会

  • 沢田秀一:
    60歳。K大学の教授。都内在住。学生時代に結成した「鉄道友の会」のメンバー。
  • 西野京子:
    59歳。料亭旅館「京子」の女将。沢田秀一の大学時代の同級生であり恋人だった。学生時代に結成した「鉄道友の会」のメンバー。嵯峨野の別荘で服毒死した。
  • 長谷川勝昭:
    墨田区内にある「ステーキハウス長谷川」の店主。学生時代に結成した「鉄道友の会」のメンバー。滝口寺で死体となって発見された。
  • 三浦正之:
    60歳。国土交通省の局長。鳥取事務所の所長。学生時代に結成した「鉄道友の会」のメンバー。
  • 金子伸子:
    59歳。横浜在住。商社マンの夫はすでに病死している。学生時代に結成した「鉄道友の会」のメンバー。京都で死体となって発見された。
  • 千賀洋:
    当時50歳。学生時代に結成した「鉄道友の会」のメンバー。10年前、築地の料亭「若竹」でふぐ中毒で死亡した。

事件関係者

  • 柏原香織:
    28歳。看護師。沢田秀一らと一緒に京都観光することになった。下鴨神社の糺の森で死体となって発見された。
  • 一条花生:
    生け花一条流の家元。嵯峨野の別荘で服毒死した。
  • 一条要:
    35歳。一条花生の息子。カメラマン。六角堂近くの公園で死体となって発見された。

その他の登場人物

  • 沢田美津子:
    59歳。沢田秀一の妻。認知症を患っている。
  • 沢田大輔:
    沢田秀一の息子。
  • 長谷川真理子:
    長谷川勝昭の妻。
  • 氏家:
    大学の准教授。平安京の研究をしている。
スポンサーリンク

感想

本作は、京都を舞台にした作品である。京都に在住していた西村京太郎先生らしい、京都に関する豊富な知見が披露されている。

前半は、随分とゆったりとしたペースで展開された。

大学時代の仲間5人組が久ぶりに京都で集まり、京都観光を兼ねながら昔話に花を咲かせるというストーリーだ。前半に何人か死亡するが、ここでは事件性が感じられない。

だが、後半から一気にサスペンスな展開になっていく。

前半で京都を観光していた大学時代の仲間は、5人組ではなく6人組だったのだ。1人は10年前、ふく中毒で死亡している。また、この仲間たちの背景も次々に明らかになっていく。

最後にどんでん返しも用意されていた。意外な人物が真犯人だったのだ。誰が犯人なのか?はここで明かせないが、身近でありながら意外な人物であった。

ちなみに、十津川警部シリーズでは、京都を舞台にした作品が数多く発表されている。

例えば、1984年刊行の「京都感情旅行殺人事件」、1999年刊行の「京都 恋と裏切りの嵯峨野」、2000年刊行の「京都駅殺人事件」、2003年刊行の「祭ジャック・京都祇園祭」、2005年刊行の「京都感情案内(上)(下)」、2011年刊行の「京都から愛をこめて」などがある。

コメント